筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会 会長/木村ペインクリニック院長 木村裕明 先生
JAU設立に寄せて
近年、疼痛治療において、革命的な変化が起きている。まず、痛みの原因としてfasciaが注目されるようになった。fasciaとは筋膜を始めとする結合組織である。次に、超音波診断装置(エコー)を用いてfasciaの異常を直接治療できるようになった。圧痛やヒビキに頼っていた治療部位が、エコーを使うことによって明確になった。さらに、今までは治療の難しかった深部や、肺、血管、神経の近傍も安全に正確に治療できるようになった。
この革命は、医師だけでなく鍼灸師、療法士などにも広がっている。エコー画像を共通言語とした多職種との連携は、今後不可欠のものとなるだろう。
このような状況の中で、会長吉村鍼灸師をはじめ、JAU講師陣は、いち早く超音波診断装置を導入し、施術に役立てている。またMPS(筋膜性疼痛症候群)研究会にも積極的に参加し、第16回MPS研究会学術集会では、エコー講師も務めていただき、非常に好評を博した。
今後、エコーを用いることで、鍼施術は、急速に進歩するものと思われる。まさにJAUは、その中心を担う組織として期待される。
2016年2月14日
MPS研究会会長
木村ペインクリニック院長
木村 裕明